アクションチームに詳しいというか、実際スタントマンを「生業」として長年やっている知人からいろんな話を聞く機会があり、それをまとめたいと思います。
どういうことかといいますと、ハリウッド俳優がよく「クランクイン前に武術トレーニングを半年かけてやった!」とか「1年前から道場やジムに通っていた!」とか聞いたことありますよね?
あれデス。
今回の記事は、ちょっと「箸休め」的な要素が多分に含まれていますので、「殺陣」「アクション」に興味がない方は跳ばして下さい!
また、似たような記事をこちらにも書いてあります。
「日本の俳優女優達よ!釈由美子に学べ!武道・古武道のススメ!」
どうしてわざわざこんな事を書くかというと、日本の俳優が行う「クランクイン前のアクショントレーニング」があまりにもテレビで聞く情報と内容が違うからです。
ハリウッド俳優だと、1年かけてとか数年かけてとかたまにありますよね?
そう聞くと、「あの技術は結構本物なんだ!」と思ってしまうのは私だけではないと思います。
それを話題に、番宣している作品もありますよね?
それと同じ宣伝方法を日本でもやることがあります。
「今回私はトレーニング頑張りました!」的なコメントをする女優さんっていますよね!
それはテレビでも映画でもどしちらでもあります。
ハリウッド俳優とは違い、結構身近に感じると思います。
テレビではオンエアー中でも話題作りで途中からでも番宣しますからね。
いま、日本のドラマ界は、視聴率が取れないのであらゆる手段で作品を宣伝しようとします。
コンプライアンス
ただ、日本は規制が年々厳しくなってきているので、あまり壮絶な「絵」は作れなくなってきたとある俳優のトーク番組で言っていました。
「絵」と言うのは、血まみれのシーンとか、すぐに手に入るナイフとかの武器を活用した技術をあからさまに見せることです。
日本は本当にコンプライアンスに厳しくなって、ドラマや映画を作る方にとってもやりにくくなってきているそうです。
前に木村拓哉が、ナイフを使った芝居をして、そのナイフと同じもので犯罪が起きてそれからはかなり厳しくなったみたいですね。
ドラマを真似されて、犯罪を起こされてもスポンサーとしては印象が良くないですからね。
きっとお金をだすスポンサーの印象が悪くなってはいけないので、言いなりなんでしょうね。
仕方がないことだと思います。
現場は?
話が脱線しましたが、「アクショントレーニング」の現状はどうなんでしょうか?
俳優・女優さん自体は一生懸命だそうです。
それはそうですよね。
自分の芝居で、出来が変わるのですから。
ましてや「殺陣」や「アクション」なんて・・・って女優さんばかりですから。
一昔、二昔まえは、俳優さん自身が演じてたことが多いんですね。
この渡瀬恒彦さんのアクションを観て下さい!
すべて吹き替えなし!本人が演じています。
この渡瀬恒彦さんが運転するバスは最後は、そのまま本人の運転で横転します!
信じられません!
このアクションは「時代が時代だから」というアクションではありません。
当時でも俳優はやらないでしょう!
いまこんなことを主役本人がやったら大変なことになってしまいます。
というか、やらせないでしょう。
それは、主役に怪我でもされたらそのドラマの撮影がストップしてしまうからです。
だからスタントマンという「吹き替え」を使うことが当たり前なんです。
というかスタントマンにとっては、それで仕事になるんですから、吹き替えを使うことで周りが幸せになるんですね。
だってあのジャッキー・チェンでさえアクションをやってる後ろ姿はほとんど吹き替えだったりします。
成果は?
では現在のドラマでの、「俳優アクション稽古」や「クランクイン前のアクショントレーニング」の成果はどうなんでしょう?
話題作りというか、「本人の身につかない程度」の稽古だと思います。
ちょっとパンチングミットでパンチの練習やったら「キックボクシングのトレーニングをやりました!」とか、少し木刀を振る練習をしたら「道場に通った」などと伝わります。
ではどうしてそんなに大げさに宣伝に使うのでしょう?
いま、アクションができる俳優や女優は仕事に困らないからですね。
それは本格的にできる役者がいないからです。
私の時代は、千葉真一や真田広之でした!
これは、アクション俳優というジャンルで本人が演じることが当たり前で、実際吹き替えは使っていませんでしたからね。
まとめ
いま、アクションのできる俳優はどれくらいいるんでしょう?
ただアクロバットができる、ではどうしようもありません。
昔は時代劇も多かったので、俳優が「殺陣」をできることは当たり前でした!
でも今は、殺陣ができると「殺陣もできるんですね〜」と話題になりますよね。
そんな時代なんです。
まだスタントマン使うだけいい方で、CG満載で人間ではありませんからね。
ある意味監督の欲しい「絵」は作りやすくなったと思います。
でも、人物にこだわる監督もたくさんいます、
CG嫌いの監督も当然います!
アクションチームにとってはありがたいですよね。
CGはCGで人ではないのですが、最近では本当によくできています。
アクション関係者に取っては死活問題ですよね。
でもトレーニングを欠かすわけにはいかないんですよ。
大変な仕事です!
これから、千葉真一や真田広之を超えるアクションや志穂美悦子を超えるアクション女優はでてこないでしょうね。
でも本格派のリアルも強い俳優に出てきて欲しいと願います。
ただ、俳優が武道・武術の達人だとアクション監督もやりにくいでしょうね^^
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