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試合ルールと実践とは?「顔面あり」では世界チャンピオンでさえこうなる!

空手

最近は、極真の松井館長が全空連のポイントルールクラスを開設してオリンピックに参加するという発言が話題になっています。

詳しくはこちらに書いています↓

「極真空手が伝統化する?オリンピック出場を目論む松井館長の狙いとは?」

私もオリンピック競技に空手が選ばれることを熱望している一人です。

ただ、一つ懸念することは、間違いなく「空手はスポーツ」と認識されてしまうことです。

私は、「空手は武道」だと思っています。

武道は基本的に「なんでもあり」だと思いますが、ルールを決めて技を限定して行う分にはいいのですが、そのルールの稽古しかしなくなったら武道ではなくスポーツに完全になってしまう恐れがあります。

実践空手の代表格であり、直接打撃制の生み出した極真会館でさえ、試合用の稽古しかしないところがほとんどではないでしょうか?

少なくとも私が通っていた極真の支部はそうでした。

顔面の稽古は一切なく、選手が多かった性か本当に一度もやりませんでした。

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実践とは?

実践とは・・・分かりやすく説明すると「路上での有事」でしょうか・・・

もと分かりやすく言うと「ケンカ」ですね。

ケンカにもいろんなスチュエーションがありますよね。

まとめて「有事」としました。

私が打撃系の武道を始めたのは少林寺拳法が初めてで中学で入門しました。

もう35年ほど前になりますが、当然顔面の稽古は普通にやっていました。

また、「短刀捕り(ナイフディフェンス)」もやったり、「多人数掛け」もやりました。

乱取り(組手)はグローブをつけて、剣道の胴を付けてやってたので、よく口の中を切っていたことを思い出します。

あの時期の稽古が、どんな打撃系の流派に入門してもベースになっていることは確かですね。

先生にも依るでしょうが、「週に3回ケンカの練習しにきてるんだからやる時は負けるなよ」って言われてましたね。

少林寺拳法は他流試合禁止なんですけどね。

だから私の中では、「実践=なんでもあり」とインプットしてしまったんです。

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世界チャンピオンでさえ、ひるむ「顔面あり」

こちらの動画を観てショックでしたね。

タイトルには「太極拳」と書いてますが、実際のところは確認できません。

しかし、あの「組手の天才」と言われた松井館長でさえ、顔面がプラスされただけでこれだけ手こずっています。

松井館長だけではありません、他の極真戦士たちも押されています。

私が入った極真の支部での稽古ですが、試合ルールの稽古をするのは分かります。

その内、「顔面やったり、対ナイフやるんだろうなあ」ぐらいに思っていましたが、一向にやる気配はありませんでしたし、3年ほおど所属しましたが、一度もやりませんでした。

大山道場の時代は、「素手で顔面を殴っていた」と古い門下生だった方々は言いますが、大会が開かれるようになって牙を抜かれてしまったんでしょうか?

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ルールがあるものには、そのルールに対応する練習が必要なのも理解しています。

いくら「顔面あり」とはいえ、「素手」と「グローブ」では戦い方も変わってきますし、「グローブの大きさ」でも違いは出てきます。

また、「掌底」の顔面ありでも戦い方は違ってくるでしょう。

ただ、実践は「ルール無用のなんでもあり」です。

そこで、顔面攻撃が出来ないのは実践である以上大きな壁になってきます。

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まとめ

どんな武道でも「試合」は目標や力試しには、大変有効だと思いますが「目的」になってはいけないと思っています。

特に子供は試合での入賞は練習の糧になりますからモチベーションを保たせるにはいいと思います。

しかし、武道はノールールということだけは忘れてはいけないと考えています。

実践~」と謳って、試合の練習しかしない所は残念ながらたくさんあります。

そうなると、先の動画の様になってしまうのではないでしょうか。

実践空手の世界チャンピオンはフルコンタクトルールの世界チャンピオンであってはいけないと思うのは私だけではないのではないでしょうか?

どんな流派でも、教える先生の特徴が門下生にうつるります。

指導者はそこのところを真剣に考えないといけないでしょう。

コメント

  1. 浪速太郎 より:

    大変興味深く拝見しました。
    動画は澤井先生のところの太気拳です。

    小生も40年近く前に極真の道場に通いましたが、上段突きの練習はありませんでした。初心者の頃、仲間と「顔殴ってきたらどうするんだろう」等話していたら、黒帯の指導員に「そんなことより、まず極真ルールの中で強くなるよう稽古しなさい」と言われたこともあります。
    一方、こちらの意図を汲んでくれ、ボクシンググローブで上段突きの練習をしてくれた指導員もいました。ごくたまの練習でしたが・・。

    極真ルールは弊害が大きいと感じています。
    10代で他競技に転向した人は顔面に適応できるようですが(那須川天心のように)、20代だと駄目なようです。
    これまでも、野地、岩崎、最近ですと、上田が顔面を殴られてあっさりとkoされています。防御もできない上、突きも相手の顔面に当たりません。
    最初から上段の攻防を練習していれば普通に避けられるようになるものを、歪なルールによって避けられなくなる・・。
    一方、昔は「寸止め」などと軽く見られることもあった伝統出身者は顔面への攻撃もしっかりと防御できます、総合のリョートや堀口を見ましても。

    以前、月刊空手道誌上で当時まだ拳道会に所属していた倉本先生が「空手を武術として考えるなら顔面は絶対に必要」と言った旨の発言をされていたのを思い出します。また硬式空手拳行館の久高先生が「空手にとって、受身、投げの練習は必須である。投げられても大丈夫という自信があれば突きや蹴りも強いものが打てる」と言っていたことも思い出します。

    極真の普段の稽古に、上段突き、受身等を入れなければ、他競技は勿論、護身術の観点からも余りにも穴が多いと言わざるを得ないと思います。

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