先日、私の空手道場の先輩が会社を定年になりました。
60才になったとのこと。
まだまだ強いし動けるし、本当?と思いました。
が、自分の年齢を考えれば・・・。
今更ながら納得してしまいました。
思い返せば、知り合った頃は先輩もまだ30代。
時が経つのは早いと感じます。
で、考えたのは空手団体の跡継ぎです。
道場を始めるときは、みんな自分が年を取ったあとのことなんて考えなかったでしょうね。
フルコン空手団体のメジャーどこでも、ずいぶん代替わりが進んでいます。
極真は言わずもがな、跡目争いから数々に分裂しました。
大山総裁に男の子がいなかったというのも、理由になるでしょうかね。
武道団体も創始者が亡くなると「子供に継がせる」という例がけっこうあります。
合気道の植芝盛平は植芝吉祥丸。
柔道の嘉納治五郎も二代目は甥の南郷次郎に継がせましたが、三代目は息子の嘉納履正。
少林寺拳法の宗道臣の娘の宗由貴。
日本的といえば日本的。前時代的と言えば前時代的だと思うのは私だけでしょうか。
遺伝はどこまで?
スポーツや格闘技の才能は親子で遺伝するのでしょうか?
一般的に運動神経が良い、悪いというのはある程度遺伝すると思います。
ですがプロレベル、達人レベルでの遺伝はどうなのでしょうか?
研究では、「知能は40~50%、運動は10~20%の伝達率」と言われているそうです。
有名な成功例では、ハンマー投げの室伏親子、相撲の先代貴乃花、若乃花、貴乃花兄弟、長嶋茂雄と長嶋一茂の親子などが浮かびます。
現在フルコン空手団体で、明確に跡を継いだのは芦原会館。
二代目館長は芦原英幸の長男、芦原英典さんです。
士道館は息子の達一さんが副館長になり、いずれ後継となるのでしょう。
中村忠さんの誠道塾も、すでに長男の彰さんが「二代目」と表記されています。
ワールド大山空手宗主 大山茂さんが亡くなり、その後は弟の泰彦さんが組織を率いていらっしゃいますが、泰彦さんもすでに70代。
茂さんの長男の徹盛さんが後継になるのでしょうね。
後継者は血か実力か?
空手団体を興したような人は、みんな自分の実力に自信があったから、一流一派を興しました。
入門してくる人も、当然その人たちの実力に惹かれて入ってくるわけです。
憧れた師に近づきたくて、来る日も来る日も練習するのです。
ある弟子は思いました。
師匠にも負けない実力も付いた。もうこの道場でおれに敵う者はいない。
後継者はおれだ!
しかし、師匠には長男がいました。
師匠は言いました。
この道場は長男に継がせる。
師匠の立場も理解できます。
この道場の建物。
月々のローンを返して、苦労してやっと建てた道場です。
身銭を切ったのです。
息子ならば相続もできますが、弟子とは言え赤の他人。
タダであげるというわけにも行きません。
何より、この道場の上がりで、毎日のごはんを食べているのです、生活がかかっているのです。
同じように、苦労して作った組織、人間関係、スポンサー。
やはり息子が後を継ぐのが、いちばん収まりが良いのでしょうか?
政治家も二世三世が多いですが、議員を生み出すのには、それはそれは大掛りな後援会、スポンサーが必要ですから同じようなことが起きていることでしょうね。
まとめ
空手団体は、個人商店か会社のような公共物なのか?
考え方はいろいろでしょう。
それなりの規模の会社となれば実力のある人が後継者になり、個人商店ならば血縁関係のある人が後を継ぐわけです。
個人商店で働いていた実力のある人は、当然独立していきますよね。
空手団体も、うまく「のれん分け」という形で収まれば良いのでしょうが、派閥や自己主張も出てきます。
悲しいかな当然、お金の問題もあります。
難しいでしょう。
流派の分裂は主義主張だけではなく、こんなところにも原因があるのではないでしょうか。
私が唯一素晴らしいと思う団体というか館長は誠真会館の井上館長です!
すでに引退を決められており、極真時代から育てた弟子を時期館長に決めているそうです!
もちろん血縁に関係なく、実力や貢献度なんでしょう。
「血」より「現場」を優先して選んだ訳です。
誠真会館の記事はこちら
【誠真会館井上誠吾館長は元JACで真田広之の先輩だった!「JACと空手」】
各支部の月会費の中には本部会費(支部から本部に払う所属費のようなもの)がないそうで、全て支部長の管理だそうです。
本部が管理するのは年会費のみだそうです。
この辺も井上館長の人柄が出ていますね。
またどこの協会にも所属していないところも魅力の一つです。
私のオススメ空手団体の一つでもあります。
あと、円心会館も気になりますね。
二宮城光館長にも息子さんがいますから。
「血」か「実力」か?
少しずつ、幹部が分裂していくのが気になります。
日本とアメリカの本部が密になっていないように感じるのは私だけでしょうか?
私も尊敬している二宮城光館長ですが、その二宮館長を持ってしても自分の作り上げた空手団体はまとまらないとすると、成功例は井上館長の誠真会館だけになってしまうかもしれません。
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