記念すべき極真カラテの第一回全世界空手道選手権大会で10位に入賞し、「ジェット機ボーイ」と呼ばれた空手家をあなたは知っていますか?
東谷 巧師範です。
ネットで調べてもなかなか情報が載っていません。
ただ、悪く書かれている記事はほとんど無く、人間性が伝わっているのだなという印象です。
中学生時代から剛柔流をやっていて、極真カラテにあこがれて、卒業とともに東京に出てきて極真会館の門を叩いたそうです。
まさに門を叩こうとした時に、大山総裁出くわしそのまま職員になったという真実も有るくらいですから気合が入っていましたね。
第一回の世界大会で10位という成績を残した後、極真を去ります。
それから、いろんなジャンルの武道武術を習ったようです。
たぶん、極真会館本部では武器術などは稽古してなかったと思うんですが、サイやヌンチャクの型を披露しているところみると、自分の「空手」を追求したかったことが伺えます。
それから暫くはデンマークで剛柔流の空手の指導していたとのこと。
極真ではなかったんですね。
それから極真時代の先輩である、芦原英幸先代館長に声を掛けられ芦原会館のデンマーク支部の支部長となります。
極真時代の後輩と言っても、芦原カラテは芦原カラテですから、3ヶ月間は白帯で毎日稽古に励んだそうです。
その時代に一緒に稽古した人は、「謙虚で口数も少なく、カッコ良かった」と言っています。
3ヶ月経つと、先代館長から3段の帯が渡されたそうです。
それから、芦原会館のデンマーク支部が始まったんですね。
極真のようなガチンコ組手ではなく、誰にでもできる「サバキ」という技術を使ったカラテを体系化していたので、「これは老若男女長く出来る」と思ったそうです。
東谷師範は、芦原会館デンマーク支部の指導をしながら武道武術の研究は続けていたようです。
その成果が「心武道」という自流の流派を起こすことになったんでしょうね。
定かではありませんが、2010年ごろ始めたようです。
ユーチューブで動画が幾つか載っていますが、明らかに芦原カラテの「サバキ」の技術が組み込まれています。
また、私が感じることは東南アジア系の武術、カリやシラットなんかの技術も混じっているように見えます。
とにかく、自分のやりたい事を教えることが一番だと思いますね。
特に「護身」に関してスポーツの要素はいりませんからね。
路上ではルールなどありません。
ルールにとらわれた稽古しかしなかったら、顔面なしの稽古しかしなかったら、突然の有事にも顔面パンチは出ないでしょう。
実は、武道家が刃物で刺されるという事件は少なくないそうです。
いくら強くても道場内でのこと。
ルールの中で稽古している、そのルールに強いとも言えます。
実戦や護身、最強などをうたっていても路上でやられては本末転倒だということは、何度も触れてきました。
特に「カラテにはやってる人の数だけ流派が有る」ということもお伝えしてきました。
それを東谷師範は「心武道」と言うかたちで、護身に特化したカラテの完成をめざしてきたのかもしれません。
空手である以上、「型」を重要視することは当たり前ですが、その型を見ればその流派が何をやりたいのかは大体は分かります。
伝統派の古典の型は私は勉強不足なので、なんとも言えませんが・・・
芦原会館の支部としてやってきたカラテも先代が亡くなったことも影響しているのかもしれませんが、自分のやりたい空手は自分にしか出来ませんからね。
そんな東谷師範の空手ですが、日本には支部はまだ無いようです。
もしご存じの方がいましたら、教えて下さいませ。
外国でスタートした「心武道」ですが、日本のいろんな空手家が「東谷巧師範が流派を起こされた!」と記事を書かれています。
それほど人望が厚かったのでしょう。
フルコンタクト系では、どんなに有名でもどこかで悪く書かれてしまいます。
ある意味それが「強さ」のバロメーターとも言えます。
それがほとんど無く、「心武道がスタートした」としか書かれていないことは、私は凄いことだと思っています。
もう少し動画も増えて全貌とまではいかないまでも、どんなものか見てみたいですね。
関東に支部でも出来たら、見学に行ってみたいと思います。
でも、まだあのサイとヌンチャクの型は出来るんでしょうかね^^
コメント
東谷巧さんが極真会空手の通信教育のテキストのモデルになっているときにはじめて知り
その後本部に入門した時に少し年上の先輩(大先輩)でした。華麗な・何でもできる技術は大石代悟さんと別な意味での天才を感じさせました。夏合宿で合宿場にあったギターをちょっと弾いてみたら教えてほしいなどと言われてびっくりしたことを覚えています。
私は空手はとうに挫折しギターはもう50年近く 仕事は法律の専門職となってしまいましたが 今でもあの素晴らしい回し蹴りと素朴なお人柄が懐かしいです。
ギター法師様
コメントありがとうございます。
貴重な体験をお持ちですね。
羨ましいです。